CentOS 6.8 リリースノート
最終更新日: 2016年6月16日
翻訳更新日: 2016年6月16日(JST)
Contents
1. 翻訳
リリースノートは、下記の言語に訳されています。
2. はじめに
CentOS 6.8 リリースへようこそ。CentOS は、Red Hat 1 により公開されている誰もが使えるソースコードを基に作られた Linux ディストリビューションです。
CentOS は Red Hat の再配布ポリシーを全面的に遵守し、機能互換を目標としています。(CentOS は主に上位ベンダーの商標とアートワークを除去するようパッケージに変更を加えています)
3. インストール メディアのハッシュ値 (sha256sum)
- CentOS 6.8 では、DVD が 2 枚に分割されます。1 枚目の DVD があればフルインストールすることができます。2 枚目の DVD に含まれているものはサプリメンタルな RPM パッケージのみです。インストーラーが 2 枚目の DVD を要求することはありません。
sha256sum x86_64: 1dda55622614a8b43b448a72f87d6cb7f79de1eff49ee8c5881a7d9db28d4e35 CentOS-6.8-x86_64-bin-DVD1.iso 0aba869427b4ce04e100d72744daf7fea1f7be2e4be56b658095bd9e99e04e6d CentOS-6.8-x86_64-bin-DVD2.iso efa82d673206cb6af377b1f929a510cc2b1ce95cdb436210121ec271e056c920 CentOS-6.8-x86_64-LiveCD.iso 52a9c8c1d250de39976dda9412293473b8349efefb31b66fecdee0fdf93866d9 CentOS-6.8-x86_64-LiveDVD.iso ec49c297d484b9da0787e5944edc38f7c70f21c0f6a60178d8e9a8926d1949f4 CentOS-6.8-x86_64-minimal.iso 56d9cc5757ed1443af7b321967622a108978328f72e58050d31bcf1998dfd162 CentOS-6.8-x86_64-netinstall.iso sha256sum i386: 720d185fdf063383a4471657076b72fc162d3c3c3bca2e5e5ae13a25b3046519 CentOS-6.8-i386-bin-DVD1.iso 0c1a498a469214f276b4390a9ac2111fe8eb89084f7921d2eced659ada09e1a9 CentOS-6.8-i386-bin-DVD2.iso 7df6c27c0cd1186845bee4e786d43dbd3ae429258098283f9dbc2b2d20ed6a89 CentOS-6.8-i386-LiveCD.iso 7e2ace104901921ac919a390be827251727dfd04437fbd4e4d3024b6d70d8718 CentOS-6.8-i386-LiveDVD.iso f4cf0614cc2ac451ffec5bd349ee74a1b31fd394e58561a07c38a21be5a4bdeb CentOS-6.8-i386-minimal.iso 1668434d76e14a45a189b7810582e7e6ded686854f75b7f8ba053830a5706e57 CentOS-6.8-i386-netinstall.iso
ISO イメージは、ここから ダウンロードできます。
4. 主な変更点
- もし、SCL や Xen4CentOS リポジトリを使っていた場合にご注意ください。これらは SIG によって維持されるように場所が変更されました。もし SCL からアップデートする際にエラーが発生した場合、yum install centos-release-scl-rh を行った後に yum remove centos-release-SCL を行ってください。Xen は通常のアップデートプロセスの一部としてアップデートする必要があります。
openswan に置き換わって libreswan が加わりました。(NetworkManager にてサポートが追加)
- sssd は、いくつかの機能で スマートカードをサポートします。また、SSL v2 は無効化されました。
- XFS のファイルシステム容量のサポートが 300 TB まで拡張しました。
- いつかのアプリケーションが TLS 1.2 をサポートしました。(例: OpenLDAP, yum, stunnnel, vsftpd, git, postfix 他。そして TLS 1.2 がそれぞれのパッケージのデフォルトとして有効になります。)
- いくつかのアプリケーションが elliptic-curve パラメーターをサポートしました。(例: Per Net::SSLeay, Perl IO::Socket::SSL)
- dmidecode が SMBIOS 3.0 をサポートしました。
- kickstart ファイルが HTTPS にて取得できるようになりました。
- NTPd のもう1つの実装である chrony が追加されました。
- squid がバージョン 3.4 へリベースされ、squid 3.1 に置き換わります。
- Hyper-V上でゲストを動かす場合におけるいくつかの改善が加わっています。kernel クラッシュ時にハイパーバイザー側に報告したり、第二世代ゲストの場合としてゲスト上で稼働する場合に有効な改善です。
- SSL v3 および古い脆弱なプロトコルは、デフォルトでは無効化しました。いくつかのパッケージは今までよりも多くのオプションを持っています。
- libreoffice が 4.3.7.2 にリベースされました。
次のソフトウェアがリベースされています。elfutils, SystemTap, ipmitool, memtest86++, icetea-web, さまざまなハードウェアドライバー、shadow-utils, virt-who など。
5. 非推奨の機能
次のデバイスドライバーは現在のところ非推奨であり将来のリリースで削除される予定です。今後、更新パッケージは提供されません。
- 3w-9xxx
- 3w-sas
- 3w-xxxx
- ic7xxx
- i2o
- ips
- megaraid_mbox
- mptbase
- mptctl
- mptfc
- mptlan
- mptsas
- mptscsih
- mptspi
- sym53c8xx
megaraid_sas ドライバーを利用する次のコントローラーは現在のところ非推奨です。
- Dell PERC5, PCI ID 0x15
- SAS1078R, PCI ID 0x60
- SAS1078DE, PCI ID 0x7C
- SAS1064R, PCI ID 0x411
- VERDE_ZCR, PCI ID 0x413
- SAS1078GEN2, PCI ID 0x78
be2iscsi ドライバーを利用する次のコントローラーは現在のところ非推奨です。
- BE_DEVICE_ID1, PCI ID 0x212
- OC_DEVICE_ID1, PCI ID 0x702
- OC_DEVICE_ID2, PCI ID 0x703
次の パッケージ は現在のところ非推奨であり将来のリリースで削除される予定です。今後、リリースされてる CentOS 6 の更新パッケージとして提供されません。
- python-qmf
- python-qpid
- qpid-cpp
- qpid-qmf
- qpid-tests
- qpid-tools
- ruby-qpid
- saslwrapper
次のアイテムはアップストリームのソースコードから削除されたものです。
- openswan component
- seabios component
- Btrfs file system
- eCryptfs file system
- mingw component
- virtio-win component
- fence-agents component
- systemtap component
- matahari component
- openscap component
非推奨および削除された機能について、詳しくは、Red Hat Technical Notes もご確認ください。
6. 既知の問題点
- UEFI 搭載のシステムにおいて、CentOS 6.x の起動時の設定ファイルが /boot/efi/EFI/redhat に格納されています。同一のシステム上に CentOS もしくは RHEL をインストールする際に不都合が称します。この問題は、CentOS 6 および CentOS 7 の期間では修正する予定はありません。
VirtualBox 上にて、UEFI モードの仮想マシンを作った場合、CentOS 6 が正常に起動できない問題があります。
netinstall isos は UEFI 環境へのインストールができません。また、最小限 ISO イメージおよび DVD ISO イメージは UEFI 環境では動くことがあります。Secure Boot が有効な状態においては CentOS 6.78を動かすことができません。事前に Secure Boot を無効化した後に CentOS 6.8 のインストールを行ってください。(詳しくは CentOS Bug #6321 をご覧ください)
Intel および AMD ベースのプロセッサーにおいて、CentOS 6 は x86 32bit チップでの PAE サポート要求します。これは上位のソフトウェアの制約事項です。requirement
- インストーラーを動かすために少なくとも 406 MB のメモリーが必要です。632 MB よりもメモリー搭載量が少ない場合、テキストモードのインストーラーが自動的に起動します。
テキストモードのインストーラーには、グラフィカルモードのインストーラーと比べてインストール時に指定できる項目に制限があります。最も大きな点としては、パーティション構成やストレージの種類、インストールするパッケージの選択がサポートされていません。 詳しくは 上位の公式ドキュメント をご覧ください。また、 Kickstart を使うことによりグラフィカルモードのインストーラーを使うことなく、事前定義した Kickstart ファイルに従いインストールを行うことができます。
- インストール中に「Insufficient memory to configure kdump!」というメッセージが出てきます。これは 2 GB 以下のメモリーのシステムで発生する既知の問題です。無視することができます。
- i386 と x86_64 アーキテクチャのインストールイメージは 2 枚の DVD に分かれています。基本的なサーバー環境とデスクトップ環境のインストールは DVD 1 枚目のみで行えます。
- SELinux が有効な CentOS 6 のサーバーに公開鍵を転送する場合、公開鍵の SELinux コンテキストが正しく設定されていることを確認してください。違っていた場合、SELinux の機能で公開鍵リスト ~/.ssh/authorized_keys へのアクセスが禁止されるかもしれません。その結果、公開鍵認証が正しく行えない場合があるでしょう。公開鍵認証がうまく利用できるように正しいコンテキストにセットアップするには以下のコマンドを実行してください。
restorecon -R -v /home/$ACCOUNT/.ssh
CentOS 6 の ssh-copy-id コマンドでは selinux コンテキストを認識しており、この回避策は必要ありません。 多くの人々から報告を受けていますが、新しいデフォルトである NetworkManager ツールでは、 Ethernet インターフェースは自動的に開始しません。 詳しくは CentOS-6 FAQ#2 をご覧ください。
いくつかのパッケージはファイル名に .centos が含まれています。パッケージを改変したのではありませんが名前が異なります。詳しくは CentOS Bug #5281 をご覧ください。CentOS 6.8 に含まれる以下の SRPMS が該当します:
- at-spi
- gtk2-engines
- libgail-gnome
ipv6 カーネルモジュールを読み込む際に、Unknown symbol unregister_inet6addr_notifier というエラーが発生する既知の問題があります。詳しくは bug 10927 をご確認ください。
Xorg のサブシステムの変更に起因する問題で、VirtualBox 上の仮想マシンで GUI で利用している場合には VirtualBox Tools のモジュールを再構築しなければなりません。
- もし、SCL や Xen4CentOS リポジトリを使っていた場合にご注意ください。これらは SIG によって維持されるように場所が変更されました。もし SCL からアップデートする際にエラーが発生した場合、yum install centos-release-scl-rh を行った後に yum remove centos-release-SCL を行ってください。Xen は通常のアップデートプロセスの一部としてアップデートする必要があります。
インストーラーを dd コマンドで ISO イメージを USB メモリーにインストールすることができます。その際にはパーティション名(/dev/sdb1など)ではなくてデバイス名(/dev/sdbなど)を指定してください。USB メモリーは完全に上書きされます。もし /dev/sdb に認識されている USB メモリーにインストールしたい場合、次のように実行してください。:
dd if=CentOS-6.8-x86_64-bin-DVD1.iso of=/dev/sdb
7. パッケージとアプリケーション
7.1. 上位ベンダーにあるパッケージで、CentOS が変更したパッケージ
- abrt
- anaconda
- dhcp
- esc
- firefox
- gnome-applets
- gnome-desktop
- httpd
- initscripts
- ipa
- kabi-yum-plugins
- kde-settings
- kernel
- libee
- libreport
- luci
- ntp
- openscap
- openssl098e
- plymouth
- redhat-bookmarks
- redhat-logos
- redhat-lsb
- redhat-rpm-config
- sos
- system-config-date
- thunderbird
- virt-p2v
- xorg-x11-server
- xulrunner
- yum
- zsh
7.2. 上位ベンダーにあるパッケージで、CentOS が削除したもの
- cc-eal4-config
- libehca
- libservicelog
- lsvpd
- libvpd
- openssl-ibmca
- powerpc-utils
- ppc64-diag
- ppc64-utils
- python-rhsm
- Red_Hat_Enterprise_Linux-Release_Notes*
- redhat-access-insights
- redhat-indexhtml
- redhat-release-*
- redhat-release-notes*
- redhat-support-lib-python
- redhat-support-tool
- rhn-client-tools
- rhnlib
- rhn-setup
- rhn-setup-gnome
- rhnsd
- rhnsdlibica
- servicelog
- s390utils
- subscription-manager
- subscription-manager-migration-data
- virt-who
- yaboot
- yum-rhn-plugin
7.3. 上位ベンダーにはなく、CentOS が追加したパッケージ
- centos-indexhtml
- centos-release
7.4. CentOS 6.7 アップデートとしてリリースされたパッケージで、より古いバージョンが 6.8 インストールメディアに含まれているもの
8. Sources
CentOS のすべてのソースコードは vault.centos.org で提供しています:
CentOSPlus: http://vault.centos.org/6.8/centosplus/Source/SPackages/
Extras: http://vault.centos.org/6.8/extras/Source/SPackages/
Software Collections: http://vault.centos.org/6.8/SCL/Source/SPackages/
Updates: http://vault.centos.org/6.8/updates/Source/SPackages/
Xen4CentOS: http://vault.centos.org/6.8/xen4/Source/SPackages/
9. コミュニティの参加
CentOS ユーザーとして、あなたもいろいろな方法で CentOS コミュニティに貢献することができます。必要とされる手続きの詳細情報はContributeページをみてください。
9.1. シグ (SIG)
CentOS には、特定の興味ある事柄についてユーザーが集う シグ (SIG:Special Interest Groups)がいくつかあります。下記の SIG はすでにできています:
Artwork - CentOS リリースや普及のためのアートワークを製作、改良
Promotion - オンラインやイベントで CentOS を宣伝、普及
Virtualization - CentOS における仮想化の集い
これらの SIG への参加や、新しい SIG の設立などを、ユーザーの皆様に呼びかけています。例えば、
- Alpha, S390, Sparc and PPC port - 他のアーキテクチャへの CentOS の移植
- Hardware compatibility - 特定のハードウェアに関するフィードバックを提供
- QA - 新しいリリースのテストやバグ除去のヘルプ
- RPM Packaging - 新しい、有用なパッケージの提供
- Translation - ドキュメント、ウェブサイト、Wiki の翻訳
9.2. メーリングリストとフォーラム
あなたがこのコミュニティで他のユーザーを助けることができる別の方法はメーリングリストかフォーラムに参加し、積極的に支援や問題解決をすることです。
9.3. Wiki とウェブサイト
未熟な CentOS ユーザーでも、あなたの助けが私たちにとって役に立ちます。なぜなら私たちはあなたがどのような問題に行き当たっていたかを知りたいからです。もし、あなたが特定の問題に対する情報を見つけ、それがよりアクセスしやすくなることによって、どれだけドキュメントが改良されるでしょう。この種のフィードバックは他のユーザーにとって、あなたにはそれがあっただろうというのと同じくらい有益であるので、あなたの関わり合いが CentOS をより良くするのに必要です。
従って、あなたが私たちのドキュメントと Wiki の作成に協力し、それらをよりよくしたいなら、Wiki にアカウントを登録するか、または centos-docs というメーリングリストに加入してください。
10. 追加情報
以下のウェブサイトには、CentOS でシステムを動かす人々のための多くの情報が含まれています。
アップストリームのリリースノートとドキュメント : https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/6.8_Release_Notes/index.html
http://mirrors.kernel.org/redhat/redhat/linux/enterprise/6Client/en/os/SRPMS/
http://mirrors.kernel.org/redhat/redhat/linux/enterprise/6Server/en/os/SRPMS/
11. 謝辞
- 我々はこの製品に対するたくさんの人々の協力に感謝します。QA チーム、彼らの 24 時間 365 日の努力は、今回のリリースには不可欠のものでした。
Copyright (C) 2016 The CentOS Project
次のサイトを訪れてください。 http://www.redhat.com/ (1)