CentOS 6.7 リリースノート
最終更新日: 2015年8月7日
翻訳更新日: 2015年8月9日(JST)
Contents
1. 翻訳
リリースノートは、下記の言語に訳されています。
2. はじめに
CentOS 6.7 リリースへようこそ。CentOS は、Red Hat 1 により公開されている誰もが使えるソースコードを基に作られた Linux ディストリビューションです。
CentOS は Red Hat の再配布ポリシーを全面的に遵守し、100% のバイナリ互換性を目標としています。(CentOS は主に上位ベンダーの商標とアートワークを除去するようパッケージに変更を加えています)
3. インストール メディアのハッシュ値 (sha256sum)
- CentOS 6.7 では、DVD が 2 枚に分割されます。1 枚目の DVD があればフルインストールすることができます。2 枚目の DVD に含まれているものはサプリメンタルな RPM パッケージのみです。インストーラーが 2 枚目の DVD を要求されることはありません。
sha256sum x86_64: c0c1a05d3d74fb093c6232003da4b22b0680f59d3b2fa2cb7da736bc40b3f2c5 CentOS-6.7-x86_64-bin-DVD1.iso f973ac2453af9815d2db944f3c7383bb3061b6b0c12fb58dadf843e1cad67ab6 CentOS-6.7-x86_64-bin-DVD2.iso 9d3fec5897be6b3fed4d3dda80b8fa7bb62c616bbfd4bdcd27295ca9b764f498 CentOS-6.7-x86_64-minimal.iso 411da8c3f66839eef9ae47bf4515cc0b82f2a1dfc7b2d5bde2d203ca7e3220f3 CentOS-6.7-x86_64-netinstall.iso sha256sum i386: 2ef003dd0a0b7e810928da9508d5551d8d51943434d4eb634a783f1fc3cb0252 CentOS-6.7-i386-bin-DVD1.iso e767a67fe9f7b2c9d30ed6ac56623d5acb4b57246d46187f13bbf5fcf4fb1014 CentOS-6.7-i386-bin-DVD2.iso fc4bfb9f94668e4d0fa14b3108de1fdc8b6d2096a95e6c2b14f595f1bad57bbf CentOS-6.7-i386-minimal.iso a1a9d1c0ffc62416b37ea1ee5150d76278b823a44c6f4ab5e749ec7ce071e38d CentOS-6.7-i386-netinstall.iso
ISO イメージは、ここから ダウンロードできます。
4. 主な変更点
- sssd に新機能が増えました。
- リムーバブルメディアに対してセキュリティの観点から必ずリードオンリーマウントを行わせるようにする udev のカスタムルールをサポートします。
- LVM キャッシュがフルサポートになりました。
- 新しいパッケージとして clufter が追加されました。クラスターの設定ファイルの形式を診断したり、設定ファイルを変換するために利用できます。
- SSLv3 および安全ではない古いプロトコルをデフォルトでは無効化しました。いくつかのパッケージの設定ファイルにおいて、目的のプロトコルを絞るために多くの設定オプションがあります。
- vim がバージョン 7.4 へリベースされました。アンドゥ機能と正規表現に対する改善が含まれています。
LibreOffice が 4.2.8.2 へアップグレードされました。
- KVM ハイパーバイザーにて、1つの仮想マシンあたり対応できる仮想 CPU の最大数が 240 vCPU へ拡張されました。
- ファイアウォールルールにおいて IPv6 の IP セットに対応しました。
- squid がバージョン 3.1.23 へリベースされ、メッセージ本文がないレスポンスの HTTP/1.1 POST と PUT に対応しました。
- mdadm がバージョン 3.3.2 へリベースされ、RAID レベルのマイグレーションと障害時に自動的にアレイのリビルドする機能がサポートされます。
- yum-plugin-downloadonly パッケージは yum パッケージによって置き換えられ、この機能は yum コマンドに統合化されています。
5. 非推奨の機能
- 次のパッケージは現在のところ非推奨であり将来のリリースで削除される予定です。今後、更新パッケージは提供されません。
- python-qmf
- python-qpid
- qpid-cpp
- qpid-qmf
- qpid-tests
- qpid-tools
- ruby-qpid
- saslwrapper
6. 既知の問題点
CentOS 6.7 に含まれる boost-1.41.0-27.el6 パッケージは、いくつかのパッケージをビルドする際に既知の問題があります。詳しくは、 upstream bug #1245805 をご覧ください。もしも、お使いのシステムで該当の事象が発生する場合には、CentOS 6.6 のアップデートパッケージから boost-1.41.0-25.el6.centos を入手して適用して頂くと、この問題は発生しません。
satyr パッケージは CentOS 6.7 に含まれているパッケージより新しいものが EPEL に含まれています。EPEL のパッケージでも動くと思いますが、それが RHEL 6.7 と競合するようにEPEL側が削除する可能性があります。私たちはこの問題に対するマイナスの影響があるとは考えておりません。もしも EPEL を使っており、CentOS 版の satyr パッケージの利用を強制したい時、アップデートする前に /etc/yum.repos.d/epel.repo の中に exclude=satyr と追記しておいてください。もし、すでに EPEL 版の satyr パッケージがインストール済みであり、CentOS 版に差し替えたい場合、yum downgrade satyr --disablerepo=epel とコマンドを実行してください。
sssd-common は、CentOS 6.7 からは multilib で提供していません。お使いの x86_64 のシステムで、もしも 32ビット向けの sssd-common を利用していた場合、アップデートする前に yum remove sssd-common.i686 コマンドを実行してアンインストールしてください。
netinstall isos は UEFI 環境へのインストールができません。また、最小限 ISO イメージおよび DVD ISO イメージは UEFI 環境では動くことがあります。Secure Boot が有効な状態においては CentOS 6.7 を動かすことができません。事前に Secure Boot を無効化した後に CentOS 6.7 のインストールを行ってください。(詳しくは CentOS Bug #6321 をご覧ください)
Intel および AMD ベースのプロセッサーにおいて、CentOS 6 は x86 32bit チップでの PAE サポート要求します。これは上位のソフトウェアの制約事項です。requirement
- インストーラーを動かすために少なくとも 406 MB のメモリーが必要です。632 MB よりもメモリー搭載量が少ない場合、テキストモードのインストーラーが自動的に起動します。
テキストモードのインストーラーには、グラフィカルモードのインストーラーと比べてインストール時に指定できる項目に制限があります。最も大きな点としては、パーティション構成やストレージの種類、インストールするパッケージの選択がサポートされていません。 詳しくは 上位の公式ドキュメント をご覧ください。また、 Kickstart を使うことによりグラフィカルモードのインストーラーを使うことなく、事前定義した Kickstart ファイルに従いインストールを行うことができます。
- インストール中に「Insufficient memory to configure kdump!」というメッセージが出てきます。これは 2 GB 以下のメモリーのシステムで発生する既知の問題です。無視することができます。
- i386 と x86_64 アーキテクチャのインストールイメージは 2 枚の DVD に分かれています。基本的なサーバー環境とデスクトップ環境のインストールは DVD 1 枚目のみで行えます。
- SELinux が有効な CentOS 6 のサーバーに公開鍵を転送する場合、公開鍵の SELinux コンテキストが正しく設定されていることを確認してください。違っていた場合、SELinux の機能で公開鍵リスト ~/.ssh/authorized_keys へのアクセスが禁止されるかもしれません。その結果、公開鍵認証が正しく行えない場合があるでしょう。公開鍵認証がうまく利用できるように正しいコンテキストにセットアップするには以下のコマンドを実行してください。
restorecon -R -v /home/$ACCOUNT/.ssh
CentOS 6 の ssh-copy-id コマンドでは selinux コンテキストを認識しており、この回避策は必要ありません。 多くの人々から報告を受けていますが、新しいデフォルトである NetworkManager ツールでは、 Ethernet インターフェースは自動的に開始しません。 詳しくは CentOS-6 FAQ#2 をご覧ください。
いくつかのパッケージはファイル名に .centos が含まれています。パッケージを改変したのではありませんが名前が異なります。詳しくは CentOS Bug #5281 をご覧ください。CentOS 6.7 に含まれる以下の SRPMS が該当します:
- at-spi
- gtk2-engines
- libcanberra
- libgail-gnome
tigervnc にはパッケージ名に .centos. が含まれています。これは新しい依存性の解決のためにリビルドされています。パッケージの中身自体には変更はありません。詳しくは CentOS Bug #7804 をご確認ください。
インストーラーを dd コマンドで ISO イメージを USB メモリーにインストールすることができます。その際にはパーティション名(/dev/sdb1など)ではなくてデバイス名(/dev/sdbなど)を指定してください。USB メモリーは完全に上書きされます。もし /dev/sdb に認識されている USB メモリーにインストールしたい場合、次のように実行してください。:
dd if=CentOS-6.7-x86_64-bin-DVD1.iso of=/dev/sdb
7. パッケージとアプリケーション
7.1. 上位ベンダーにあるパッケージで、CentOS が変更したパッケージ
- abrt
- anaconda
- dhcp
- esc
- firefox
- gnome-applets
- gnome-desktop
- httpd
- initscripts
- ipa
- kabi-yum-plugins
- kde-settings
- kernel
- libee
- libreport
- luci
- ntp
- openscap
- plymouth
- redhat-bookmarks
- redhat-logos
- redhat-lsb
- redhat-rpm-config
- sos
- system-config-date
- thunderbird
- virt-p2v
- xorg-x11-server
- xulrunner
- yum
- zsh
7.2. 上位ベンダーにあるパッケージで、CentOS が削除したもの
- cc-eal4-config
- libehca
- libservicelog
- lsvpd
- libvpd
- openssl-ibmca
- powerpc-utils
- ppc64-diag
- ppc64-utils
- python-rhsm
- Red_Hat_Enterprise_Linux-Release_Notes*
- redhat-access-insights
- redhat-indexhtml
- redhat-release-*
- redhat-release-notes*
- redhat-support-lib-python
- redhat-support-tool
- rhn-client-tools
- rhnlib
- rhn-setup
- rhn-setup-gnome
- rhnsd
- rhnsdlibica
- servicelog
- s390utils
- subscription-manager
- subscription-manager-migration-data
- virt-who
- yaboot
- yum-rhn-plugin
7.3. 上位ベンダーにはなく、CentOS が追加したパッケージ
- centos-indexhtml
- centos-release
7.4. CentOS 6.6 アップデートとしてリリースされたパッケージで、より古いバージョンが 6.7 インストールメディアに含まれているもの
- firefox
- java-1.7.0-openjdk
- java-1.8.0-openjdk
- nss
- nss-util
- php
- postgresql
- thunderbird
8. Sources
CentOS のすべてのソースコードは vault.centos.org で提供しています:
CentOSPlus: http://vault.centos.org/6.7/centosplus/Source/SPackages/
Extras: http://vault.centos.org/6.7/extras/Source/SPackages/
Software Collections: http://vault.centos.org/6.7/SCL/Source/SPackages/
Updates: http://vault.centos.org/6.6/updates/Source/SPackages/
Xen4CentOS: http://vault.centos.org/6.7/xen4/Source/SPackages/
9. コミュニティの参加
CentOS ユーザーとして、あなたもいろいろな方法で CentOS コミュニティに貢献することができます。必要とされる手続きの詳細情報はContributeページをみてください。
9.1. シグ (SIG)
CentOS には、特定の興味ある事柄についてユーザーが集う シグ (SIG:Special Interest Groups)がいくつかあります。下記の SIG はすでにできています:
Artwork - CentOS リリースや普及のためのアートワークを製作、改良
Promotion - オンラインやイベントで CentOS を宣伝、普及
Virtualization - CentOS における仮想化の集い
これらの SIG への参加や、新しい SIG の設立などを、ユーザーの皆様に呼びかけています。例えば、
- Alpha, S390, Sparc and PPC port - 他のアーキテクチャへの CentOS の移植
- Hardware compatibility - 特定のハードウェアに関するフィードバックを提供
- QA - 新しいリリースのテストやバグ除去のヘルプ
- RPM Packaging - 新しい、有用なパッケージの提供
- Translation - ドキュメント、ウェブサイト、Wiki の翻訳
9.2. メーリングリストとフォーラム
あなたがこのコミュニティで他のユーザーを助けることができる別の方法はメーリングリストかフォーラムに参加し、積極的に支援や問題解決をすることです。
9.3. Wiki とウェブサイト
未熟な CentOS ユーザーでも、あなたの助けが私たちにとって役に立ちます。なぜなら私たちはあなたがどのような問題に行き当たっていたかを知りたいからです。もし、あなたが特定の問題に対する情報を見つけ、それがよりアクセスしやすくなることによって、どれだけドキュメントが改良されるでしょう。この種のフィードバックは他のユーザーにとって、あなたにはそれがあっただろうというのと同じくらい有益であるので、あなたの関わり合いが CentOS をより良くするのに必要です。
従って、あなたが私たちのドキュメントと Wiki の作成に協力し、それらをよりよくしたいなら、Wiki にアカウントを登録するか、または centos-docs というメーリングリストに加入してください。
10. 追加情報
以下のウェブサイトには、CentOS でシステムを動かす人々のための多くの情報が含まれています。
アップストリームのリリースノートとドキュメント : https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/6.7_Release_Notes/index.html
http://mirrors.kernel.org/redhat/redhat/linux/enterprise/6Client/en/os/SRPMS/
http://mirrors.kernel.org/redhat/redhat/linux/enterprise/6Server/en/os/SRPMS/
11. 謝辞
- 我々はこの製品に対するたくさんの人々の協力に感謝します。QA チーム、彼らの 24 時間 365 日の努力は、今回のリリースには不可欠のものでした。
Copyright (C) 2015 The CentOS Project
次のサイトを訪れてください。 http://www.redhat.com/ (1)